現場でわかった“伸びるチーム”の作り方
部活動にフィジカルトレーニングを導入するとき、ほぼ確実にぶつかる壁があります。
「何をやればいいか分からない」
ではなく、
理想通りに進まない です。
私も最初は、理論通りにやれば伸びると思っていました。
でも現場は、そんなに単純じゃなかったです。
今日は、高校生のチーム指導で実際に経験したことをベースに、導入のリアルな話をします。
高校生のトレーニングの本質は“瞬発力”
どの競技でも、現場からよく聞く言葉があります。
- 当たり負けしない体
- ジャンプ力を上げたい
- スプリントを速くしたい
- キレを出したい
全部バラバラに見えて、実は共通点があります。
👉 短時間で強い力を出す能力=瞬発力
だから高校生のトレーニングは、
「筋肉をつける (筋肥大)→ 強くする (筋力)→ 速く使う(筋パワー)」
この流れが基本になります。
導入の基本設計(現場で使える3フェーズ)
フェーズ①:筋肥大・基礎筋力
目的:土台作り
- スクワット
- ヒンジ動作(デッドリフト系)
- プッシュ/プル系
重量は軽め〜中程度でフォーム最優先。
慣れてきたら10回前後がきつくなる負荷で全身。
ここで雑に進めると後の伸びが止まります。
フェーズ②:最大筋力
目的:力の上限を引き上げる
- スクワット
- デッドリフト
- 懸垂
- ベンチプレス
→高重量低回数セット
この段階で「強い力を出せる体」を作る。
瞬発力の天井を上げる作業です。
フェーズ③:筋パワー+プライオ
目的:競技への変換
- パワークリーンなど爆発系
- ボックスジャンプ
- バウンディング
筋力を「速く出す」練習。
ここで初めて競技動作に近づきます。
→この流れを数ヶ月単位で循環させます。
ここまでは理論通り。問題はここからです。
導入して最初に気づくこと
「高校生はウェイト初心者」
当たり前なんですが、ここを軽視すると全部崩れます。
最初の指導でよく起こるのが…
✔ スクワットがしゃがめない
✔ バーベルが怖い
✔ 姿勢が保てない
でもこれ、能力じゃなくて経験不足なんですね。ここで重量を急ぐと、
→ フォーム崩壊→ ケガ→ 自信喪失になる。
だから最初は徹底的にフォーム。遠回りに見えて、これが一番伸びます。
独学トレ勢という難関イベント
最近はSNSで学んでいる子も多いです。やる気は本当に素晴らしい。ただ…
フォームが独自進化していることが多い。
ここで真っ向から否定すると、心が閉じます。
自分が現場で使っているのは、
「そのフォームでもできるけど、こうするともっと強くなるよ」「ゆくゆく怪我をしないためにもこっちがいい」
など+αの伝え方。すると選手は前向きに修正してくれます。
チーム指導で避けられない問題
習得スピードの差
同じメニューをやっても、
✔ すぐ覚える子
✔ 何ヶ月も安定しない子
が出ます。インターハイ常連校でも普通に起きました。
ここで悩むのが、
「全員そろうまで待ったほうがいいか」
部活動という短い期間でこれは現実的じゃありません。
だからおすすめは、
👉 進級基準を作ること
例:正しいスクワットで自体重×1回成功→ パワートレーニングへ
これだけで指導が整理されます。
疲労管理は想像以上に重要
高校生は、部活+授業+行事+テスト…常に疲れています。
ある時、体育の持久走期間ということを知らず、高強度トレーニングが被って、→ 軽いケガ続出という経験をしました。
真面目な高校生ほど、今日私疲れてますなんて言わない
そこからよく顧問の先生とコミュニケーションを取ったり、部員たちに「今週の練習はどんなことやったか」を聞くようにしています。
疲労が強い週は、
✔ 重量下げる
✔ 技術中心
無理させない方が結果は伸びます。
実際に回しているシンプルテンプレ
Day A
- スクワット
- プッシュ系(ベンチ等)
- 軽ジャンプ
Day B
- ヒンジ動作(デッドリフト等)
- プル系(ベントオーバーロー等)
- プライオ
休憩いれつつ90分以内。集中が切れる前に終えるのがコツです。
※上記は筋肥大〜筋力アップ期
現場で学んだ一番大事なこと
高校生のトレーニングは、
完璧な理論より、継続できる設計
これがすべて。
フォームを整え、段階を作り、疲労を見る。
これだけでチームは確実に変わります。
より体系的に導入したい方は、トレーニング設計をまとめた
も参考になると思います。


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